自由が丘の外れに有名なパティスリーがあるのは誰もが知ってることだと思う。
『スイーツの街』自由が丘を決定付けるお店の一つになったのがモンサンクレール、平日でもお店の前には行列ができている。
今日はモンサンクレールについて話したいのではなく、その直ぐ近くにあるパイ菓子屋さんorioriについて。
私の好きなパイ菓子を取り扱っているということで前から気にはなっていたんだけど、どうしても店前を通ると扉を開ける前に躊躇してしまう。
そう躊躇してしまうのね・・・
小さいお店に入るのは勇気がいる。当然撮影NGのお店もあるし・・・でも、今日立ち寄らなかったら次はいつこの道を通るか分からない。
とりあえず入ってみることにしよう。
気さくなorioriの主人
何気にお店に入ってみると、店内は想像した通り白を基調にしたかわいらしい空間だった。
お店の中は店主と思われる男性が一人居るだけ。
「シーーーン・・・」
少し入ったことを後悔するような、この静かな空気に押し潰されそうになる。そんな矢先にご主人から「何かお探しですか?」声を掛けられた。
何だかフッと気持ちが楽になったのか、前から気になるお店だったことを伝える。ひとこと発すると気持ちってこんなに軽くなるのね。
ここからは緊張がほぐれたのか普通に喋れるようになり、軽く世間話ができるくらいになったので、パイを買う前に色々と話を聞いてみることにした。
orioriはオープンして1年位、私がはじめに見かけたのもそのくらいだったかな。色々と聞いてみたい衝動に駆られた私の質問にも嫌な顔をせずに応えてくれた。
店主は気さくな人だった。
パイは6種類
パイの種類は全部で6つ、丁寧に一枚づつ袋入りにされていた。見た目は自分が想像していたような形ではなく、かなり薄いタイプのもの。
プレーン、シナモン、アップル、アールグレイ、ソルト、アーモンド
このうちソルトは夏限定の季節商品という位置付けになるようだ。そして6月くらいにレモンが店頭に並ぶ予定とのこと。
これは店名にorioriと付けられている通り季節にあった食材を取り入れる『四季折々』から来ているのね。
orioriという店名には、パイ生地を何層にも折り重ねるという意味と季節のものを取り入れる、四季折々の2つがかかって出来たネーミングということ。
とりあえず無性に食べたい衝動に駆られた私はプレーンを一枚いただくことにした。価格帯も200円以下、プレーンを食べてみて追加購入するか決めたかった。
店内にイートインスペースはない。店主にここで食べていいか確認しようとしたそのとき、
「食べてみます?」
こちらを察してくれたのかお皿を出してくれた。お言葉に甘えて、買ったばかりのプレーンを店内でいただくことに。
いったいどんな味がするんだろう?
新しい食感?!
食べた感想は・・・
その前にお店に入る前の印象と、一口くちに含んだ瞬間のこの感覚はうまく言葉に出来ない。これは食べた者でも言い表すことの出来ない新しい食感だった。
感想はおいしい、これは最低限の表現だ。
独特のパイ生地のパリパリ感が心地よい、どうやらワザとフワッとさせていないようだ。それでいて、甘みが口の中に広がっていく。
一枚では止まらない、最低2枚は食べたくなる。
生地の食感はもとより、プレーンと名付けられていながら想像以上にしっかりとした味付けがされている。
この独特のパリパリ感と味付けは、確実にハマる。パイ好きが好きになる味という訳ではなく、また別のものかもしれない。
とりあえずこれ以上は言葉に出来ないから実際に食べてみて!
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手の込んだパッケージ
パイ生地以上に気になったのが、オリジナルのパッケージ。
シンプルでありながら手の込んだパッケージはなんと無料とのこと(小袋)。
店名のorioriロゴがシンプルで良いアクセントになっておりブラウン・オレンジ・ブルーの3色使いがヨーロピアンな雰囲気を醸し出している。
これは採算が取れてないのは聞くまでもなく分かることだった。
ユーザビリティを考慮した結果とはいえ、パッケージ費用はボディーブローのように効いてくるのも確か。
orioriのパイ菓子は商品の味に文句を付ける部分は無いんだけど、いかんせん見た目はどうしても地味になる。
お客さん側になって考えれば、この袋に入っていることは『配る』という行為を目的とした場合、重要な要素になるのだ。
なぜかはこの後に話すことにしよう。
個人的に無料で提供できるのも今のうちかなと・・・
枚数指定か有料になるのも時間の問題のような気がした。
できれば注文は4枚からにしてみよう。
お土産に最適
orioriのパイは間違いなくお土産向きなアイテムだ。
一枚一枚を丁寧にパックして、乾燥しないようにしている。当たり前だろという人もいるかもしれないが、このフィルムにもコストはかかる。
賞味期限は1週間だ。
ケーキなどと違い日持ちを考える必要も無いし、何よりも気軽に配るのに向いている。
勿体ないのは、このパイ自体の見た目があまりにも地味なこと。
種類が6通りあっても、どれも見た目は変わらない。
そこをカバーするべくカワイイパッケージが活きてくるのだ。
有閑マダムと同様に自由が丘マダムという言葉が存在するかはわからないが、地域の特性上ママ同士の交流は盛んな地域であることは否めない。
私の妻もそうだが幼稚園のママ友、小学校のママ友、幼児教室のママ友などママのつながり・付き合いの場は非常に多い。
気軽に持ち運びが出来て簡単に配れる、この『手土産』需要と合致するのがorioriのパイなのだ。
とはいえ、もう少し花が欲しいのも確か。
ラインアップ拡充は今後の課題の一つだろう。
地元に愛される存在に
色々と聞いているうちにお客さんが入ってくる。推定70代くらいの品の良いおばあちゃん。
5種類を3枚づつ買って行った。自分の常識だけで考えるのは良くない。
『高齢者の方はパイ菓子を食べない』
これが私の勝手な思い込みだった。実際のところ自由が丘マダムと呼ばれる30代後半から40代の女性に受けているのは理解出来たが、それと同等、もしくはそれ以上に受けが良いのが50代を超える層の人達。
買って行かれるお客さんの80%は地元の人で占められているとのこと。
イメージと実情は全然違う。雑談から始まった展開は気付けば完全に取材に近いものに変わっていた。
この味が浸透すれば地域密着店になるのも時間の問題では?
まとめ
モンサンクレール目当てで自由が丘の外れに来たのであればorioriに立ち寄らないのはもったいない。
orioriの知名度が上がってくるのは時間の問題、自由が丘お土産需要に適したものは有りそうでないから。
orioriのパイの美味しい食べ方の一つにアイス乗せとヨーグルトと絡める技があるらしい。
家に帰って試そうと一旦テーブルに置いておいた。
ひと仕事やっつけたところでアイス乗せを試そうとしたら肝心のパイ菓子が無くなっている!
あれ?!一枚あったはずなんだけど・・・
『わたしがたべたよ』
娘はorioriのパイが気にいったようで、残しておいた私の分を食べてしまった。
私の仮説通り、やはり2枚食べたくなる味、いや食感なのかもしれない。
1回目の食感が間違っていなかったことを確認するかのように2枚目をかじる。
一枚だと良い意味で物足りなさが残るのだ。
アイス乗せはまた次回にお預けするとして、今でもパイ生地の『パリパリ感』を思い出す時がある。
近いうちにまたお邪魔させていただこう。
アクセス
住所:〒152-0035
東京都目黒区自由が丘2-3-16
自由が丘グリーンヒル103
電話番号:03-5726-8146
営業時間:11時~19時
定 休 日:水曜日
業態:パイ菓子店
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