自由が丘で北欧ファッション・雑貨のお店を探すのであれば、まずKauniste(カウニステ)に行くことをおすすめする。
なぜなら、このお店の商品は見てるだけで、心がほっこりしてしまうから。
このなんとも言えない『ほっこり感』はどこから来るのだろう。
近年日本では北欧ブームということもあり、インテリア・ファッション・雑貨等、ライフスタイル全般に渡り人気が高い。
人気があるのは分かっているものの、なぜここまで北欧デザインに人々が魅了されてしまうのか、心の琴線に触れるものがあるのかということについては、上手く言葉で表現できなかった。
日本の暮らしにも普通に融け込んでしまう親和性の高さと、たくさんの女性を虜にしてしまう北欧独特のテキスタイルデザイン。
理由は数多にわたり、見つけ出すことができるだろう。
今年の10月にオープンしたばかりのカウニステさんに取材の依頼をいただいた。
兼ねてからの謎解きをしたい気持ちもあり、その辺のことを含め聞いてみることにした。
※カウニステ自由が丘店は2020年9月に閉店いたしました。
自由が丘カウニステで北欧の暮らしを体感する
アポイントはクリスマスも間近の12月初旬、とはいえ暖冬の影響なのかTシャツにパーカーでも過ごせるほど外は暖かい。
当日お話を聞かせていただいたのは、カウニステ代表の原田さんと遠藤さん。
開店前に、時間を作っていただけたのでじっくり話を伺うことができた。
カウニステとは
お店に入る前から、そのオリジナリティを存分に感じさせてくれるショーウインドー。
『KAUNISTE』
の文字が印象的、きっと一度立ち寄ったら忘れることができないインパクトがあるデザインだ。
お店を目にしたときの感想をひとことで表すとすれば『斬新』という言葉が適切かな。
カウニステは2008年にフィンランドで創業した、ライフスタイル全般を取り扱うテキスタイルブランド。
創業10周年を迎える今年、日本に初めてお店を出すことになった。
ちなみにカウニステの直営店舗は、本国フィンランドのヘルシンキ店と、日本の自由が丘店のみ。
世界で2つしかない直営店舗のひとつが日本の自由が丘店ということになる。
テキスタイルデザインを強みとするブランドと言えば、日本ではMarimekko(マリメッコ)を想像する人が多いと思う。
北欧では何十という数のテキスタイルブランドが存在した1950年代、それ以降の不況等で1990年代に入ってからは数える程に減ってしまった。
創業10周年目のカウニステは、北欧ブランドの中では比較的若い部類に入る。
この10年で日本にも直営店を出すまでに成長した背景には、何があるのだろうか?
デザインだけじゃない強み
何も知らない私から見た北欧ブランドと言うものは、日本ではmarimekkoのイメージが強く残るせいか、どうしても「華やかなデザイン押しのブランド」に見えてしまう。
ファブリック(生地・織物)にかかわるデザイン全般をテキスタイルデザインと呼ぶが、ものによってそのクオリティは千差万別。
実際に手にとって商品を見てみないことには、ものの良し悪しが判断できないと思った。
取材するのは意外に勇気がいることで、実際にものを見た時のクオリティが一定水準を満たしていないときにどう紹介しよう?
そんなことを考えてしまう。
北欧雑貨と聞くと、草・木・花を象徴とした独創的でかわいいデザインに目を向けてしまいがちだと思う。
でも、今回の取材を通してそれが間違いだということに気づかされた。
もちろん、北欧特有の美しいデザインがあることは大前提ではあるものの、そのデザインをきちんと表現するためのコア技術と、なぜそのデザインになったのかというバックグラウンドがあってこそ成立する。
テキスタイルデザインが生まれた北欧の生活、歴史的背景を知ることでよりそのデザインの魅力がきちんと理解できる。
北欧ブランドとしては後発組とはいえ、日本でも取扱うお店は増えてるいるのはクオリティが伴っているから。
カウニステの強みについて、より深く伺っていくことにした。
北欧の厳しい生活環境だからこそ育まれる美しいデザイン
フィンランドの気候と言っても、「寒そう」というイメージ以外に正確に表現できる人は少ないだろうね。
北欧は夏が短く冬が長い。
四季は日本で創造しているような感じではなく、夏は白夜があって夜中の2時でも太陽が沈まない。
逆に冬は太陽が上がらない。
緯度が高いので夏は太陽が平行移動するけど、冬は緯度の下で並行移動するので太陽の存在を感じることができない。
長く寒い冬の時間を過ごすことは、人の心理面にも多大な影響を及ぼす。必然的に、室内だけは明るく心地良い空間にしたいと思うのが真理だろう。
北欧は夜が長い分、部屋も暗くなる。そういった背景から自然と明るい色味を使った、温かみを感じさせるデザインが多くなる。
生活環境とともに、デザイン面の発展を促したのは、フィンランドという国の経済状況に起因する部分も大きい。
かつてとても貧しい国だったフィンランドは、その限られた資源や労働力で生活の糧を生み出さなければならなかった。
資源が乏しいという環境下にあることが、創意工夫を重ねることにつながり、それがクリエイティブという形で花開いたとも言い換えられる。
北欧デザイナーが建築・ファッション・インテリアデザインで目覚ましい活躍を見せているのは、そんな歴史があってこそなんだと思い知らされる。
ひとめ見ただけで感じることができるデザインの美しさは、厳しい生活環境や歴史的な背景から来ている。
そういった北欧の歴史的・文化的な背景を知ることで、その美しいデザインがより愛おしく感じられるようになる。
取材していくに連れ、北欧デザインに惹かれていく自分に気付くのだった。
フィンランドの伝統的な生産手法
ここまでは美しいデザインの成り立ちについて触れてきたが、北欧ファッション・雑貨の素晴らしさはそれだけじゃない。
手にとってみて分かることだが、デザイン性とともに、そのプロダクトの質にも目を見張るものがある。
なぜなら、クオリティを最優先したものづくりをしているから。
作る商品の素材選定から、職人の技術力を見極めてのパートナー選び、そこに環境的な配慮も含め「作って終わり」ではなく、使い続けていくことができる道具が完成する。
素材の選定例としては、環境を配慮して廃棄する部分が少ないことを踏まえ、生地に麻を主材料として使っているものが多い。
以前ラトビア雑貨のお店でも紹介したが、吸水速乾性の高い麻素材はキッチン周りで使うクロスなどにうってつけのもの。
白樺の合板技術を使い、ベニヤひとつひとつにパターンをプレスした木製のトレー。
1950年代から北欧で受け継がれる、ローカルな手法を取り入れて製造を行っている。
カウニステ製品すべてに携わる製造業者は、本国フィンランドはもとより、ものによっては北欧近隣諸国を拠点としている。
バルト三国や、スウェーデンで製造を行うものは実際に現場まで足を運んで品質を見極める。
高いクオリティを維持できる理由は、北欧諸国で製造を完結できているものが多いことがポイントなんだろう。
一部ハンカチなどは日本国内で製造を行っているものの、生産地の95%はヨーロッパを起点としている。
だんだんフィンランドへ行ってみたい気持ちが高まってきた・・・
生地への印刷工程について、最近はインクジェットプリンタで簡単に印刷できるようになった。
でも、カウニステの印刷工程は、一色毎に色をのせていく昔の手法を採用している。
版画のような道具を使い、職人が一色ごとに色をのせていくので色数が増えれば、それだけ手間が掛かる作業となる。
そんな手間ひまかけてもその手法を使い続けるのは、シルクスクリーンプリントの発色の良さがすべてだから。
色に深みが出せるから、インクが生地にのったときに鮮やかな独特の色味が再現できる。
カウニステの商品を見れば、その発色の良さを実感することができるだろう。
北欧のシルクスクリーンプリントの技術は、伝統的な手法として確立されている。
PCでサクサクデザインしたものをその辺の印刷業者にお願いすれば、デジタルプリントで簡単に印刷できる時代に、これだけ手間暇かけて作るのはなぜなんだ?
手作業の工程は職人だけではなく、デザイナーも同様。自分の手でデザイン画を書くし、デジタルプリントも利用しない。
手間暇を掛けて環境に配慮した材料を使い、ものづくりをする理由はすべてブランドの理念から来るもの。
『新鮮で誠実でアーティスティックであること』
デザインだけが売りの商業的なものや、手早く効率だけを追い求めたもの、ディティールにこだわりのないものは作らない。
古き良き技術を継承し、そこに新しいデザイナーの感性を取り入れ新しいプロダクトに落とし込む。
なんとも言えない『ほんわか感』が味わえる理由が分かってきたような気がした。
フィンランド本店の雰囲気を追体験
カウニステはフィンランドのヘルシンキに本店があり、2店目に出店したのが日本の自由が丘店というは先程お伝えした。
お店のレイアウトはヘルシンキ店とまったく同じデザインで統一しており、日本にいながら北欧の雰囲気を追体験できる。
店内は無駄な装飾がないシンプルなデザイン。
オープンして間もないこともあるのかもしれないが、個人的には非常に居心地の良い空間だと感じた。
後ほど紹介する商品ラインナップは多数あるものの、ある程度余白を持たせた置き方をしているから商品が見やすい。
そして、手に取りやすくすることにも繋がっている。
白を基調にした棚上に載るシンプルな商品は、見ているだけで心を和ませる効果があるような気がする。
実際に商品を手にとって見てほしい。
私が言ってることがウソじゃないことが分かるはずだから。
北欧文化を伝えるイベント等も開催
カウニステでは、自社商品の販売のみならず、北欧文化を広めるイベント等を定期的に開催している。
取材した日には、写真家のかくたみほさんが撮った写真が展示されていた。
12月6~18日には、陶芸家である鈴木矯子さんのきのこをモチーフにした作品展が開催される。
カウニステ自由が丘店は、フィンランドならびに北欧文化を日本に伝える役目を果たす場所にもなっているわけだ。
代理店を通さずに直営店舗を構える理由は、本国フィンランドのブランドの世界観をより正確に伝えたいため。
今後の予定としては、伝統装飾モビール”ヒンメリ’’作りのワークショップ、サウナ文化の今を紹介するトークショーイベントが開催決定。
サウナは日本語になってるが、発祥はフィンランド語からそのまま当てはめられたものらしい。
北欧文化に興味がある人は、カウニステホームページで今後のイベントをチェックしてみてほしい。
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カウニステ売れ筋ランキング
ここからは、カウニステ商品の中でも特に売れ筋になっている商品について紹介したいと思う。
魅力的なラインナップが揃う中、原田さんから聞いたお店での売れ筋と、私が良かったと思うものをチョイスしている。
クリスマスギフトを考えてる人や、身近な方への贈り物として参考になれば幸いだ。
5位:ハンカチ
価格:1,200円(税抜)
素材:コットン100%
サイズ:50cmx50cm
大振りなサイズ感のハンカチは、様々な用途で使えることを想定したもの。
手軽に買える価格帯ということもあり、ちょっとしたプレゼントにも使えるのが嬉しい。
インテリアのアクセントにもなるだろうし、スカーフやバンダナのようにファッションアイテムとしても使える。
私は日々お弁当生活をしている手前、こんなかわいいハンカチに包まれていたら周りの女子にもウケが良さそうだ。
そんな淡い期待を抱かせてしまう、鮮やかでかわいいデザイン。
手軽さ含め、まず最初に紹介させていただいた。
ファーストカウニステを自分の生活に取り入れるのに、ピッタリなアイテムなのは間違いないだろう。
4位:ソックス
価格:1,800円(税抜)
素材:コットン80%、ポリエステル15%、ポリウレタン5%
サイズ:24~25cm
最近のファッションシーンにおいては、ソックスこそこだわるべきポイントの一つだと言い切りたい。
スニーカーソックスが市場に普及して一段落し、次は派手目のソックスこそ取り上げられる流れが確実にくる。
いや、もうすでに来てるのかもしれない。
カウニステのソックスは、『ちら見せ』したいワンポイントアイテムだ。
冬場の寒い季節こそ、少し鮮やかな色味のソックスを合わせてみてほしい。きっといつものコーディネートが違って見えるはずだから。
私は鮮やかなマスタードイエローが気になったので取り上げてみた。
3位:スマホケース
価格:3,500円(税抜)
素材:合成樹脂製ハードカバー
対応機種:iphone7/iphone8PLUS
取材して一番最初に目に入ったのは、実はスマホケースだったりする。
意外に良いデザインのスマホケースって見つからないもんでしょ?
テキスタイルデザインをスマホケースに。
カウニステの定番パターンを取り入れただけで、いつものスマホがファッションのアクセントに変わる。
トートバックに入れたスマホが見つからずに、いつもイライラしてしまう私にはピッタリの商品だ。
かばんの中が乱れていようが、すぐに目につくデザインだしね。
2位:クッション
価格:3,200円(税抜)
素材:麻55%、コットン45%
サイズ:47cmx47cm ※中材の推奨サイズ50cmx50cm
手っ取り早く北欧雰囲気を感じたいのであれば、クッションカバーから入ることをおすすめする。
手軽に模様替えできて、かつ部屋を優しい雰囲気に変えてくれるデザイン。きっと、あなたの部屋の居心地指数も高まるはず。
TVの何かの番組を見て、カウニステのクッションカバーを買う人は多い。
メディアの影響が大きいことを裏付けるように、インフルエンサーやブロガーにもカウニステアイテムは普及しているようだ。
部屋に北欧感を出したいとき、まず初めに揃えたいところかな。
1位:トートバッグ
価格:3,200円
素材:麻55%、コットン45%
サイズ:W35xH43
一番人気はやはりトートバッグになるだろうね。
落ち着いたデザインに、しっかりとした生地感のトートバッグは安定して人気の商品。
特にSunnuntai(スンヌンタイ)は日本語で『日曜日』という意味があり、カウニステのパターンでも一番人気のモデル。
リネン(麻)とコットンの配合が、日常使いにはピッタリな組み合わせ。
使いこんでいくうちに、柔らかく馴染んでいくのがカウニステトートの良いところ。
汚れても洗えるから、キレイを保てるのもポイントの一つだ。
かわいいパターンの中から、自分好みのものを選ぶこと自体が大変だったりするわけだが・・・
それ自体、嬉しい悩みでもあるんだけどね。
ギフトラッピング
贈り物にも最適な北欧テキスタイルデザイン。
色々な用途で使えるものが多いから、身近な友人や家族に対してちょっとしたプレゼントに最適なアイテムだと思う。
別途100円でギフト用の梱包に切り替えてもらえるから、この辺も利用しない手はないよね。
自分用に買う時も、このかわいいショッパー目当てでギフトラッピングをお願いしてしまいそうな出来だ。
毎日の日用品として使えるものばかりなので、プレゼントを受け取る人にも確実に喜んでもらえる商品だと思うよ。
特典
2018年10月にオープンしたばかりのカウニステ自由が丘店では、8,000円以上購入してくれた方にトートバッグをプレゼントしている。
お店のショーウインドーと同様のデザインのトートバッグ。
カウニステファンのみならず、この特典は嬉しいんじゃないだろうか。
ニューオープンの記念みたいなものだと認識してるため、期間は決まっていない。
ほしい方は、早めにお店へ行くことをおすすめするよ。
まとめ
いつものように、ブランドの背景等を綴ったため長文になってしまった・・・
ほとんどの人は、そんな文化的・歴史的な背景などどうでもよく、デザイン性を評価して自分の暮らしに取り入れていくんだろうな。
基本それで良いと思うし、否定する気もない。
でも、そういった造り手の想いだったり、歴史だったりを知ることで自分の考えてる常識があっけなく変化したりするもんなんだよ。
今回のランキングで紹介できなかったアイテムの中にも、良かったものはたくさんある。
カウニステのすべての商品を、一同に手にとって見れるのは直営店ならではの醍醐味だ。
私が紹介できなかったアイテムの中にも、あなた好みのものが眠っているかもしれない。
日本のファッションブランドとコラボしたスカートが好評だったり、スバル自動車ともコラボした商品を世に送り出している。
ステーショナリーのMARK’S(マークス)とコラボった商品もあり、これからの展開が楽しみなブランドだと素直に思う。
この日の取材を境にして、私は北欧テキスタイルブランド『カウニステ』の虜となってしまった。
なのでこれからは、「カウニスタ」としていちファンで有り続けたいと思う。
北欧雑貨や、ファッション・インテリアを自由が丘で探している人がいたら、是非カウニステへ寄ってみよう。
きっと、この寒空のなかでも心がほっこりする瞬間を体感することができるはずだから。
アクセス
住所:〒152-0034
東京都目黒区自由が丘1-26-8
キクモトビル1階
電話:03-6421-2150
営業時間:12:00~19:00(土日は18時)
定休日:水曜日
業態:北欧雑貨、インテリア、ファッション
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